後継ぎ問題③ ~入社後の処遇~

後継ぎ問題③ ~入社後の処遇~

後継者の入社後の処遇というテーマで私見をお伝えしたいと思っておりますが、これが非常に難しいところで、親子関係やその他社員との関係等、色々絡み合ってきます。

先に結論を言ってしまいますと、後継者たる息子さんには最初は苦労する事をキチンとお伝えした上で、努力を積み重ねていけば次のステップに行ける事を理解してもらう事だと思っています。

これだけでは良く分からないと思いますので、ケースを分けて考えていきます。

1.初めから優遇対応

経営者の息子として入社するにあたり、極端に言えば、初めから役員、且つ給与待遇も高水準で権限を付与されているケース。

これは、他社で相当な経験を積み、実績を重ね、認められてきた方(大会社の部長職等)であれば周囲も認められる可能性はあります。しかし、自社においては業界慣習の違い、社風の違い等からいわゆる古参社員の反発を招き、最悪の場合、退職ラッシュになりかねません。

また、あまり経験を積んできていない後継者にとっては、周囲からの理解を得にくく、非常に苦しい状況になる事が予想されます。とはいっても、一定の権限がある為に、従業員から気を使われて、変にリーダーシップがあると勘違いする事があります。この状態は『裸の王様』と私は呼んでいます。リーダーシップの源泉は大きく2つです。

①与えられた権力(言う事聞かないと転勤なり、昇進に影響が出るなど』

②自己の魅力(業務能力、カリスマ性、ずば抜けたスキル)

経験不足の後継者にとっては②の自己の魅力を①与えられた権力が既にある為に、勘違いして自分に魅力があると錯覚してしまう事があります(もちろん、不足を理解して努力している方も多くいます)この様な場合にも、周囲の社員等は冷静に見ていますので、士気が低下したり、退職に繋がったりします。

では、どの様にすれば良いかですが、前者の経験値が豊富な後継者の場合は、権限を付与していても良いと思いますが、事前に前職との違いを理解してもらい、また、自社についてしばらくの間は社員と共に汗をかき、理解をするとともに社員との信頼関係構築を第一とするのが良いかと思います。ありがちですが、大会社出身の方は、確かに素晴らしいノウハウ等をお持ちですが中小企業にそのまま当てはまるかと言えばそうではない事があります。(そもそものカンバンの大きさや信用力からして差があります。)

その為、違いを理解してもらい、自社の強みや弱み、社風などを理解してもらったうえで段階的に権限を付与する事が望ましいと思います。

また、後者の経験不足の後継者ですが、まずは②自己の魅力を磨いてもらう事に専念するべきだと思います。しかし、かと言って、まるっきり権限や恩恵が無かったりすると後継者側からすると他の会社でも良かったのでは?自分が入社する必要は無かったのでは?一般社員と同じじゃないか。等の疑念が生じ、モチベーションダウンに繋がります。

その様なモチベーションダウンを防ぐためには、やはり「会話」を定期的に行い、同じ未来を共有して、その為の土台作りである事を認識してもらう事が重要です。「会話」をせずに、放置していると上述のような心境になりモチベーションが低下します。また、当面の間は土台作りになる事、そしてジョブローテンションや中小企業大学校にいってもらって、多面的な理解をしてもらう。これは特別待遇である。と将来について共有しておきましょう。これらは教育面での内容になりますが、その他の給与や待遇についても話をした方が良いと思います。また、息子さんとの会話にあたっては、現場の事は信頼出来る部下に任せても良いですが、やはり親であり経営者であるご自身が話をする必要があります。

部下が信頼できるとしても、やはり息子さんへの遠慮が働いたり、経営者に対しての気遣いが生まれ、本音の部分の会話が難しいです。(たとえ、息子さんの資質に問題があっても、問題とは上司になかなか言えないですよね。)

これらの話しをキチンとしていなかった場合には「騙された」等のネガティブな感情が生じて親子間の断絶にも繋がりかねません。

この問題は冒頭にもお伝えしましたが、非常にデリケートですので外部の第三者と相談して進める事も良いと思います。親子間での会話を勧めましたが、一方、間違うと、お互いに遠慮なしのビーンボールの投げ合いになってしまいますので。

この様な、問題にもスマートM&A.comは相談対応いたします。

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