M&A後の取引条件変更

基本的にはM&Aアドバイザーは、クロージングを行いM&Aが成立するまでが業務範囲となりますが、私の経験よりM&A後の取引先(取引先がM&Aで買収され、経営支配権が変更したケース)の条件変更で苦労した経験をお伝えしたいと思います。

取引先が外資の大手電機機器メーカーでありましたが経営不振により、外資のITベンダーに買収された際に、大きく2点の変更が御座いました。

1.基本取引契約書のまき直し(MSDAと呼ばれるもの)
2.商流の変更

1.の契約書のまき直しは非常に厄介であり、200ページにわたるものでした。もちろん、取引契約書は不公平なものであり、先方からすると「嫌なら取引しない」というものです。
しかしながら、あまりに不平等であった為、社内では取引はもうしなくても良いのでは?との声が上がってくる程でした。最終的には製品の納入の為に、先方の担当者が相当、譲歩してクロージングした覚えがあります。

2.の商流変更は従来「BUY/SELL」と言われる取引で、先方のVMI倉庫に納入して関連したTier2メーカーが引き取るもので、私としては先方の1社だけみればよかったものですが、
「TurnKey」と呼ばれ、各Tier2メーカーと取引をしなければならなくなりました。
中には未取引のメーカーもあった為、信用調査→口座開設のプロセスを踏まなければならないのと同時に、代理店を利用しなければならないところと直接取引を行うところの値差の調整等行い、非常に問題がありました。幸い深刻なトラブルにはならなかったものの、一歩間違えればラインダウン(生産停止)→賠償問題にも発展する可能性がありました。

上記は私の立場(仕入れ先)での話ですが、先方の客先が売上的にも魅力があり、従わざるを得ない部分があった為追従しました。
しかしながら、中小企業等で同様の事を行えばどの様な事象が生じるでしょうか?
私のケースが外資企業でドラスティックな変化を求めましたが、日本国内の中小企業等で行うにあたっては相当な力関係を持っている事が求められると思います。
実際のところは、長年の付き合いから相手の考え方を分かっていたり(取引コストが低い)、条件が他社より良い等でのビジネスの為、効率性を求めるばかりに仕入れ先を含めた取引先から反感を抱かれない様に配慮する事が重要と思われます。

ビジネスDDを通じて、ドラスティックに変更する事、効率の観点からは難色を示すところでも様子を見て慎重に進めるところ等の見極めが重要になると思います。
また、M&A後に前経営者に顧問になって頂き、顧問期間中に細かいところをよくヒアリングして早期に実態をつかむように対応する事も重要になります。

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