後継者の退職

これまで様々な視点で後継者の選定や育成について触れてきました。また、多くの書籍等でも同様に触れていると思いますが、後継者が退職する事について触れていないのではないでしょうか?
今回は後継者の退職について述べたいと思います。

後継者に関わらず、一般社員も含めて退職する事はネガティブな印象を受けます。そして、やはり実際にはネガティブな要素があります。
退職に関しては、本人の問題や志向と職場環境、会社の状況等の様々な要素があります。
一般社員の場合には、やりがいやスキルアップ、条件向上、人間関係等が理由になろうかと思いますが、後継者の場合は人間関係、しがらみ、特殊な立場による精神的疲労、経営者との対立等が考えられます。

私の経験からすると後継者が退職する事は必ずしもマイナスでは無いと考えています。

私も含め、退職した周りの後継者の話しからすると、退職前と後で家族間の関係が改善したところが多いように思います。不思議な事ですが、家族の為にと思って家業に入るも、家業に入ると関係が変わり、ギクシャクする。色々、話し合いをしようとしても経営者と後継者の間では経営者が実権を握っている為後継者の思うような結果は出ない。そして不満が溜まり、精神的に疲弊するか対立が生じるといったスパイラルに陥ります。

この様な場合、本来は負のスパイラルに陥らない様に配慮していくべきですが、そうなってしまった場合には後継者の立場からすると退職しても良いと思います。
経営者の立場からすると、色々考えはあるでしょうが、後継者の声を聞き、環境を整備する等の配慮が必要と思います。
後継者が会社にいる事が良い事では無く、生き生きとして働いている後継者が求められます。負の空気を持った後継者が会社にいる事は周囲への悪影響をもたらします。
経営者からすると、後継者が退職する事は無念でしょうが、昨今は「人を活かす経営」が求められており後継者を活かす事はその象徴となりますので、それが出来なかった場合には潔く後継者の心情を汲んで頂きたいと願います。